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審美治療 

 より自然な治療後の外観を求める声が高まる中、当院でも審美性に優れた素材による治療の需要が増えてきているのを感じます。このページでは、どのような材料がどのような使われ方をしているのか、それぞれのメリットやデメリットも交えながら紹介したいと思います。

*本ページ内に掲載の写真は、文章だけでは表現しにくい部分を補うために、参考として掲載しているものです。決して治療の結果を保証するものではありません。(むしろ治療の限界について少しでもご理解していただくことのほうが重要と考えています。)参考:厚生労働省指針(医療広告ガイドライン(第3(6))

*治療費について: 下記に示す金額は、~2021年当時のものです。

近年の材料費、技工費ほかの固定費の継続した上昇に伴い、治療費の総額についても都度の調整を余儀なくされている状況です。今後も短期間での変動が見込まれるため、自由診療の治療費を更新していません。下記の症例における治療費は参考としてご覧いただけましたら幸いです。
 今後も、当院のコンセプトとしての「身近に治療が受けられる」ことを掲げ努力してまいります。

前歯のすり減り(酸蝕症)と齲蝕を治したい。

酸蝕に歯頚部の齲蝕を伴っていたケースです。前歯部がかみ合っていないため、前歯が噛みにくくもなっていました。

​齲蝕の治療のほか、かみ合わせの獲得と形態の回復を図るために治療を行いました。

オールジルコニアクラウン

60,000円~

写真は透明度の高いジルコニア材料(前歯部専用といっても良い)を使用し、表面に0.2mmほどのグレーズポーセレンを盛ったもの。技工工程に削り出しを応用できるため、比較的コストを抑えることができます。透明度を上げるために圧縮強度が700MPa程度に落ちますが、それでも従来の焼成セラミックに比べて圧倒的に硬いと言えます。

虫歯ではないが、隙間が・・・。

前歯の隙間を気にされて受診となりました。齲蝕などの所見はなく、硬質レジンによる直接修復にて対応しました。

​ 保険材料での対応も可能な処置ですが、齲蝕の診断が得られない場合は、(病気ではないので)原則的に自由診療となります。一般に硬質レジンは保険診療としても多く使われるものですが、特に審美性や耐摩耗性に優れた一部の硬質レジン(ハイブリッドセラミックとも)については保険適応外の材料があります。この写真例では保険適応外材料での修復を示しています。

ダイレクトボンディング

10,000円~

セラミック材料に比べて耐摩耗性が劣るものの、侵襲を最小限に抑えられること、チェアサイドでの治療が完結することなどのメリットがあります。前述のとおり保険適応の硬質レジンを用いることでも同様の処置は可能ではありますが、やや耐摩耗性に劣るため、傷がつきやすい→光沢が損なわれたり、ステインが沈着しやすい欠点があります。また、もともとの色調の再現性に限界があります。

歯が変色してしまった。

失活歯(神経の失われた歯)などで起こる変色。特に、歯頚部、あるいは歯根の露出部で顕著となりますが、ホワイトニングなどでは一般的に解決は難しいケースです。この場合、かぶせもので外観の回復を狙います。

ジルコニア?セラミック?なにがどう違う?

60,000円~100,000円

ひとくちにセラミックのかぶせものといっても、作り方や材料はさまざまです。単一の素材(特にジルコニア)だけでもクラウンを作ることができる時代となり、当院でも比較的安価にご提供できるようになってきました。一方でセラミック=ポーセレンを下地(ジルコニアなど)の上に焼き付けて作られる完全なオーダーメイドタイプも存在し、どうしても治療費に差が出ます。*下地が金属であるものはメタルボンドなどと呼ばれ長い歴史があります。金属を使わない冠を単にオールセラミック冠と表現する歯科医院さんもあるようですが、従来のオールセラミック冠(本当の手作り)とジルコニア(機械削り出し工程あり)は材質も作り方も違う全くの別物です。詳しくは診療時にお尋ねください。

歯の形と色が気になる。

写真の例では、右上正面の歯が幼少期に抜けてしまい、2番目の歯が正面に並んでしまっているため左右が非対称となっています。このケースでは、いかに左右を対称に戻せるかがポイントです。そこには、形だけでなく色調も求められます。

オールセラミック冠など

100,000円

写真の例は左右対称に仕上げることにこだわったケースです。

足りないスペースを確保するために左右の隣接する歯を少し削るアレンジを加えています。

可能な限り天然歯に質感を近づけるため、より天然歯に近い質感を再現できる高強度セラミック冠を採用しました。

歯の表面と形が気になる。

​ 歯のエナメル質と呼ばれる部分が生まれつきうまく形成されず、色調や崩れなどを生じているケース、あるいは著しく変色を伴う場合があります。この場合、人工的に唇面をセラミックなどに置き換えることで対応することがあります。唇面のみを削るので、生活歯(神経のある歯)などにとっては、比較的侵襲が少ないというメリットがあります。一方で、表面に張り付いている形ですので、裏側からの突き上げで、はがれてしまうリスクがあります。

ラミネートベニヤ

80,000円/歯

写真の例では犬歯から犬歯の部分(6歯)の唇面を高強度セラミックにて置き換えた例となります。可及的に歯の神経や歯質を温存できるため、特にエナメル質形成不全や斑状歯(変色歯の一種)などでは、硬さの不十分なエナメル質を補償する治療としては有効な手段と言えます。また、この治療には接着材の進歩がとても重要な鍵を握っています。当然ながら、かぶせる場合と違い、接着が不十分である場合は剥離や破損のリスクがあります。また、かみ合わせなどによっては下の前歯からの突き上げが影響するため、治療の対象とならないケースも多々あります。審美性を追求すると色調に統一感が欲しいため、左右対称に数本単位での治療となることが多いと言えます。

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無理をしません

 ​審美性にこだわるあまり、無理な設計を強いることとなったり、もともとの歯の状態があまりよくないのに高額な審美治療となることは原則としてお勧めいたしません。また、治療に適した歯科材料の採用も必要不可欠な要件となります。保険診療か自由診療にかかわらず、トータルでバランスの取れた治療となるようご提案いたします。こうの歯科医院では、決して押し付けではなく患者さんの皆様の目指すゴールに、”無理なく近づける”ことを目指していきたいと考えています。

多くの選択肢を

 歯科材料の種類がますます豊富になり治療の選択肢が増える傾向にあります。審美治療のなかにも徐々にではありますが、CAD/CAM冠のように近年になって保険適応され、その応用範囲が広がってきています。一方で、従来から使われ続けているセラミック材のように保険適応のない歯科材料による治療においては、その価格ゆえに治療機会を喪失してしまっているケースが少なくないと感じます。こうの歯科医院では、安かろう悪かろうではなく治療全体にかかるコスト(技工料、材料代、処置料、技術料など)を見直し、少しでも多くの方に治療の選択肢と機会を提供したいと考えています。

定期的なメインテナンスを

 こうの歯科医院では、治療が終了してからが本当のスタートと考えています。審美治療は「魅せる」ことも大切ですが、歯として機能しなければ意味がありません。一度装着すれば一生もの、という言い方はあまりにも無責任です。そもそもどんなに丈夫な材料を使用して作られた補綴物(かぶせものなど)であっても、破損のリスクはつきものです。また、差し歯を支える歯を良好な状態に保ち続けることが、お受けになった治療の成否を左右すると言っても過言ではありません。当院では歯周病予防などにも力を入れています。

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